解決事例

2026/07/23 解決事例

【全株式を保有する代表者が急逝】会社清算と遺産分割を一体的に設計し、約2年で解決した事例

事例の概要
相談の種類遺産分割・非上場株式・会社清算
当事者被相続人は会社の代表者兼全株主。相続人は配偶者と複数の子
主な争点会社の整理方針、財産評価、会社株式を含む遺産の分割方法
解決方法交渉
解決までの期間約2年
結果会社の解散・清算を完了し、清算後の残余財産を調整原資として、法定相続分に沿う遺産分割を成立させた

ご相談の背景・経緯

会社の代表者であり、全株式を保有していた方が急逝しました。会社には一定の事業基盤がありましたが、後継者は決まっておらず、相続人は会社を存続させるのか、それとも解散・清算するのかを早急に判断しなければならない状況に置かれました。

また、会社の全株式が相続財産となったため、会社の整理方針だけでなく、会社やその他の相続財産をどのように評価し、各相続人にどの財産を取得させるかも問題となりました。相続人間では、会社の整理方針、財産評価、遺産の分割方法など、全般にわたって意見が対立していました。

ご相談時のお悩み・ご不安

  • 代表者が急逝した会社を、今後どのように処理すればよいか分からない
  • 会社の清算と相続手続を、どのような順序で進めればよいか分からない
  • 相続人間の意見対立がある中で、会社株式を含む遺産分割をまとめられるか不安がある
  • 会社、相続、税務が複雑に関係しており、全体をどのように整理すればよいか分からない

当事務所のサポート内容(解決までの流れ)

  • 会社を存続させる場合と解散・清算する場合の手続や影響を整理し、清算方針に至るまでの検討と必要な手続を整理
  • 税理士と緊密に情報を共有し、会社の財務状況、清算の見通し、相続税および相続財産の評価を確認しながら、会社の清算と遺産分割を並行して進行
  • 会社の整理方針、財産評価、分割方法の全般にわたる意見対立について、相続人と交渉
  • 清算後の残余財産を、他の相続財産の配分によって生じる差額を調整する原資とする方法を提案
  • 各相続人の最終的な取得額が法定相続分に沿うよう具体的な分割案を計算し、遺産分割協議書を作成

解決の結果

会社の解散・清算を完了したうえで、清算後の残余財産とその他の相続財産を一体として調整する遺産分割案をまとめました。残余財産を調整原資とすることで、その他の財産の配分による過不足を調整し、各相続人の最終的な取得額を法定相続分に沿わせることができました。

会社の整理方針、財産評価、分割方法の全般にわたって対立がありましたが、裁判所の手続を利用することなく、交渉によって会社の清算と遺産分割の双方を約2年で解決しました。

担当弁護士からのコメント

会社経営者が急逝したケースでは、まずは何から手を付けるかを整理し、会社の存続可能性を検討したうえで遺産分割完了まで進む必要があります。このようなケースで相続人間に対立があるような場合、相続人が対応すべきことは多方面かつ多岐にわたり、かつ税理士等との連携も不可欠となるなど、相続人には大きな負担が発生します。

本件では、会社の整理をしたうえで、個々の財産を別々に協議するのではなく、会社の清算によって生じる残余財産を各相続人の取得額を調整する原資として位置づけ、最終的な取得額が法定相続分に沿うよう分割案を設計しました。このように、会社の処理と遺産分割を一体として検討することで、複数の争点をまとめて解決できる場合があります。

会社の清算を伴う相続では、法律面だけでなく、会社の財務や税務についても特に正確な把握を求められます。関係士業と緊密に連携し、早い段階で全体的な解決方針を立てることが重要です。

担当:弁護士 藤田 寛之

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